2017.12.19いよいよ、新しい本が出版されます。
遠回りをしてきましたが、その分、2015のアドラー本以来、構想2年ということになります。
2016には、社会人向けビジネス書を出すために、ある出版会社からオファーがあり、案を練っていたのだが、構想1年、いっこうに進まない制作をテーマを見直しするため、一度リセットすることにしたのです。
出版社を変えて(戻して)、再度テーマから構想を練り直し。
ところが、僕の専門である教育関係では、既に過去の5冊で幼児から親までに伝えたいことは(勉強法・親のへの指導・幼児才能の伸ばし方〜アドラー教育まで)ほぼ済んでいる。
それで”社会人向けの勉強法”を考えていたのだが、何か面白くない、つまらない。
同じことの繰り返しで、要するに、受験生も社会人も勉強法は同じだからです。
本屋さんには、たくさんの「勉強法」本が蔓延している。
マインドセットも子供も大人も同じで、いまいち目新しいものが無いのです。
そんな本をわざわざ、出さなくとも他にいい本がたくさんあるのだからそれを読めばいいわけですね。
そこで思いついたのが、ストーリーもの、すなわち小説でした。
物語は音楽のように、自分だけのものを自由に書くことが出来るので面白いのでは?
これまで数多くの楽曲を書いてきたので、曲をつくるのと同じように、ストーリーを組み上げていくのだ。やったことは無いがそう難しいことでは無いような気がした。
ある時、パスタを食べながら思いついたテーマは、一般によくある、何気ない家庭内に変な人形が送られてきて、それが突然話をする、それに連れて起こる信じがたい出来事の数々。ダラダラの家族が、どんどん変わっていく。その人形だが、最終的に、母親が友人からインドのおみやげで貰った1体の変な人形という設定にしました。
自分で想像して「これはいける!」と思ったのだ、こうなれば即テーマ決定だ。
あまりにワクワクするので、アイディがが止まらない。。書き留めることも出来ない。
思いつくことをどんどんと録音していきます。
挙句の果てに、調子に乗って、編集長といきなり映画化の話まで飛び出す。
お母さん役は、編集長の好みで、黒木瞳さんなどと、、
僕の頭の中では、人形が家庭にマインドセットしまくり、家族はどのように変わっていくのか、、、考えるだけでもわくわくしたんですね。
今回は、出版までのいろいろな経緯をメーキング形式で書いていきますので、ぜひお楽しみ下さい。
・・・
まずは、何といっても主役の人形の名前の設定から始まりました。
いわゆる主人公だから、名前はかなり重要です。
ーー
◎参考までに集まった素敵な名前達
・人形エントリー1
シャンティー、ガヤトゥリー、プラーナ
・人形エントリー2
ナマステん、マサラ
・人形エントリー3
「テル」「フッダロ」
・人形エントリー4
「ダートゥ」身体を構成する7つの要素、というような意味です。
・エントリー5
☆「ルタ」 意味---インドのサンスクリット語で「真実」という言葉‼️
☆「ダーナ」 意味---インドのサンスクリット語で「与えること」という言葉‼️与えられた人の幸せに貢献できるものを与えること。
・エントリー6
「ダートゥ」ニックネームは「ダン」
・エントリー7
ケレージャです。(KJ)です!!
・エントリー8
インドゥール
・エントリー9
「パース」
・エントリー10
アーニャ、アニチャ
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名前はこのように、一般公募でたくさん集まったのですが、どれも決定打にかけ、「アーナンダ」というゴータマブッダの一番弟子の名前で決定しました。まあ、第一弟子なんで文句はないです。
ストーリーは、さらに工夫が重なります。
人形自体が実は”塾超マインドセット”そのものになる、要するに、授業中やコーチング中に出てくる言葉を、そのまま人形に吐かせるというアイディアになったのです。
まずは、とても重要な人形のイメージです。イラストレータにたたき台を作ってもらいました。キャラクターにもなるほどのもの、というコンセプトです。
初めに頂いたイメージはこれらでした。
残念ながら、これらのイメージはすべてインパクトに欠けてしまっているのでボツとなりました。
次の要求は、キャラクター化でも、インパクトあるちょっと恐い感じ、冠かぶってる、などと、細かくイラストレータさんに依頼し、完成したアーナンダ人形がこれです。
ん〜、かなりいい感じになってきた。でも、それだけじゃ詰まらない。
さらなるインパクトと同時に宗教色を払拭するために、アーナンダ人形に”塾超グラサン”をかけさせるアイディアも出てきて、それが完成してこれになりました。
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こちらバージョン1、グラサンのカタチが悪くボツ。 |
普通ここでOKと思いきや、塾超のグラサンは、あのカート・コバーンと同じもので、もっと丸みがあって微妙に違うのです。
僕からの細かい注文も、イラストレータさんは、さっと処理してくれました。
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そしてバージョン2、グラサンこれならOK! |
さて、肝心のストーリーは、途中アーナンダの言動に手こずったが、比較的容易に仕上がったのです。登場人物は、初めはアーナンダの言葉をバカにしていたが、いつしか、受験生として変わってしまう。それがアーナンダ仏像の魔力!?。それがさらに広がり、家族も変わっていく。
そしてやはり、フィナーレは「あれ」しかないのだ。
誰もが涙する感動的なエンディングを迎えるのだ。。
次にストーリーのタイトル(本の名前)案の決定が始まる。
初めに、編集長から出た案はこれら。
「合格させたいなら勉強する理由を考えなさい。」
「勉強しないわが子にイライラため息しかでない、母親を救ったのはインド人形」
「世界一の家庭教師から教わった勉強法」
「世界一の家庭教師はインドの人形」
「偶然出会った世界一の家庭教師」
「世界一の家庭教師は勉強を教えてくれない。」
本当に申し訳ないのですが、まったくしっくり来ないで悶々としながら、メールでアンケートをとっていたところ、あるお母さまから1通のメールを頂いた。
ーーー
(略)
悪くはないのですが、でも塾超先生っぽくないような気がしてしまうのは私だけ?
個人的には『卑怯な授業』とか『非道徳英語』みたいな方が「何?」と思って惹きつけられるかな〜(^^;)
『無慈悲菩薩』
『不条理教師』とか(笑)
失礼いたしました〜
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この案に、ビビっと来たのです。
そうだった!忘れてた!
今までいろいろな場面に散々使って来た、「卑怯、非道徳、不道徳」
こんな、素敵な言葉達があったんだ!
このタイトルに、どんなにわくわくしたことか、
もうこれしかない。と思いました。
恐らくとんでもなくビックリする事を出版社に伝えることになります。
そして、ここまでの案をすべてボツにすることを告げます。
「非道徳教師アーナンダ」または「不道徳教師アーナンダ」
としたいことを、編集長に伝えました。
ついでに、カバーイメージも出来てしまってることもあわせてです。
そして、熱心に協力してくれるお母さまが、ニルバーナのラストアルバムのシンプルブラックジャケットを送ってくれてさらにその本のレプリカまで作ってしまいました。(上写真参照)これには、流石にヤラれました。笑
そう、このジャケットはニルバーナで僕の一番のお気に入りなのです。
これをモチーフにつくったものがこれらです、超かっこいい!
もう、これしかないと・・
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不道徳バージョン |
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非道徳バージョン・Nirvanaフォント |
すぐに、編集長に、タイトルとカバーデザインを送りつけたのは言うまでもありません。
これを知った編集長は、流石に予期せぬ展開に、、ひとこと、、
ーーー
「思いもかけないタイトルです。いまはただびっくりです。」
「脳みそが沸騰しそうです。」
ーーー
などと数回のメールとLINEで返ってきました。その後、何故か数日、音信不通となり刺激が強すぎたか、、と想像していました。
その数日後、メールがやっと届きました。
内容は、アーナンダの後に「の教え」を付ける案と、”アーナンダ”は、カタカナ表記にしてほしいとの案を頂き、この線でいけるのであれば、その程度の事は、もちろん承諾です。
ーーー
(略)
さて、タイトルですが、
「不道徳教師アーナンダの教え」
で会議を押し切りました。
当然、営業部からは反論がでました。
でも、もうこれしかない、と突っ走りました。
営業部の意見は、私が河原先生にご相談していたように
『このタイトルで「教育書」「受験読み物」の棚に並ぶのか?
この本を必要としている読者に届くのか?』でした。
会議の最後は、営業部からのお願いという形なのですが、
タイトルに「受験」「合格」「成績アップ」などという
「教育書」「受験読み物」と書店員が間違いなく認識する
キーワードをどうしても入れてほしい、ということでした。
こうした経緯を経たため、私は
「不道徳教師アーナンダの教え」のイメージをこわさず、
なんとかそうしたキーワードを入れこみたいです。
ーーー
これだけの、反社会的なタイトルを受け入れてくれた出版社の皆様、本当にありがたいことです。絶対に譲れないという、僕の強い意思を尊重していただきました。
ただし、条件付きです、
そう、”受験、合格、成績アップ”などのような言葉をどこかにつけなければならないのです。
僕の今回のコンセプトは、そのような言葉の次元を超えての作品をつくることなので、
いろいろな言葉をつけてみても、どうしても、逆にイメージを崩してしまうようで、うまくいかないので、やはり「不道徳教師アーナンダの教え」だけがいい、どうしてもほしければ帯にだけ、と返信すると、
ーーー
タイトルに「受験」「合格」などのキーワードを入れる件は
「不道徳教師アーナンダの教え」のタイトルを通した際、
社内で強く要望されています。
オビではなく、小さい文字でもいいのでタイトルで、
というのが営業部の強い意向です。
タイトルの雰囲気をこわさず、
書店員や読者にどのジャンルの本が伝える、
という意図です。
タイトルのイメージをくずすつもりはありません。
というのが前提ではありますが、
いまいちど明日、営業部に掛け合ってみます。
ーーー
編集長の案は、こうだった。
・勉強嫌いな受験生を救う
・落ちこぼれの受験生を救う
・E判定の受験生を救う
・すべての受験生を救う ・合格と不合格は同じ!?
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全てボツとしました。
あえていうなら、これか・・・
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すべての受験生が生まれ変わる
不道徳教師アーナンダの教え
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でも、やはり何か臭くて良くない、ボツです。
そして、何度かのやりとり後、僕が最終的に考えた苦肉の策はこれ、
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これが、タイトルイメージを崩さず、条件を満たすギリギリの条件だったのです。
長いやりとり後、これでほぼタイトル決定となりました。
そして、いよいよカヴァーデザイン最終決定です。こちらも、この本を初めて見る人にどのように見えるかが決めてですので、インパクトがかなり重要です。
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黒文字バージョン |
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黄色文字バージョン |
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グラサン仏像、新バージョン |
これらのカバー案を、ニコ生にてアンケートしてみると、
意外にも、初め予定していた、黒白のシンプルバージョンを抜いて、グラサンアーナンダバージョンの新アイディアがトップとなった。
というわけで、
アンケートの結果、これがカバーデザインに決定!
そして、当初のデザインは、カバーを取った時の表紙デザインになりました。
ざっとですが、これでとりあえず完成となります。
これまでの出版で一番時間をかけた6冊目の本です。
やはりストーリーということで、曲作りと同様にクリエイティブな
部分やイメージにとても時間をかけていきました。
今、思えば、本来、僕にはこちらの方がやりたい事
だったように感じられます。
いつしか、グラサンのアーナンダ人形を手に入れたいと
真剣に思っているところです。(笑)
出来上がりが今からとても楽しみです。
12/19発売です、既に予約の受付が開始されているようです。